「ウィッグをつけるのが難しい」「ウィッグが不自然に見えてしまう」といったように、ウィッグを上手につけられない方は多いのではないでしょうか?
せっかくウィッグをつけてもズレるのが心配だったり、周りにバレないか不安に感じていたりすると、安心して過ごせませんよね。
そこでこの記事では、ウィッグ専門企業の元美容師がウィッグの自然なつけ方をご紹介します。ウィッグを付けた後のスタイリングについても解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
1.ウィッグをつける前の準備
ウィッグをつける前にきちんと下準備をすることで、ウィッグがつけやすくなって自然な仕上がりに見えます。
ここでは、ウィッグをつける前の準備についてご紹介します。
ウィッグを付ける前は、ブラシで自毛を整えましょう。
「どうせウィッグをかぶるから、自毛は何もしなくてもいいんじゃないの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。しかし、ブラシで毛流れを整えたり、ボリュームを抑えたりすることで、ウィッグと自毛の馴染みが格段に良くなります。
またウィッグが頭にフィットしやすくなることで、違和感のないヘアスタイルが実現します。
髪がない方の場合は、ウィッグをつける前にインナーキャップを、毛量がありフルウィッグをつける場合は、ヘアネットを使用しましょう。
インナーキャップは、ウィッグをかぶったときに、隙間から頭皮が透けるのを防いだり、敏感になっている頭皮を守ったりできます。
ヘアネットは髪をまとめられるので、ウィッグをかぶったときに浮いてしまうことや、頭が大きく見えてしまうことを防げます。
2.サイズ別|ウィッグの基本のつけ方
ウィッグは小さいものから大きいものまで、サイズによってつけ方が異なります。
ここでは、ウィッグのサイズ別に基本のつけ方をご紹介します。
前髪ウィッグは、前髪をカットしなくてもスタイルチェンジが楽しめます。
- 自分の前髪を左右に分けて、ピンで留める。
- 鏡を見ながら、ウィッグの前髪の長さが丁度良い位置にくるよう調整する。
- 位置が決まったら、ウィッグをピンで固定する。
- 前髪とサイドの髪の毛を馴染ませるようにブラシで梳かす。
トップウィッグは、頭頂部につける手の平サイズの小さいウィッグです。頭頂部以外は自毛を活かすことができます。
- 頭頂部のボリュームを出したいところにウィッグを乗せる。
- 位置を決めたら前部分のピンを留める。
- 前部分を押さえながら、左右、後ろのピンを留める。
- ウィッグと周囲の髪をなじませるように、ブラシを入れる。
ハーフウィッグは、頭の半分程度の大きさのウィッグです。前髪やサイドの自毛は、そのまま活かすことができます。
- ボリュームを出したい部分にウィッグを乗せる。
- 位置を決めたら前部分のピンを留める。
- 左右のズレがないか確認してから、左右、後ろのピンを留める。
- ウィッグと周囲の髪をなじませるように、ブラシを入れる。
フルウィッグは頭全体を覆える大きいサイズのウィッグで、オールウィッグとも呼ばれています。
- ウィッグを前からかぶり、前髪の長さに合わせて位置を決める。
- 前部分をおさえながら、ウィッグの後ろを襟足部分に沿わせて、しっかりと被る。
- 左右のもみあげの位置が均等になるように調整する。
- 襟足部分が左右対称になっているか確認する。
- ブラシで全体をなじませる。
3.留め方別|ウィッグの基本のつけ方
ウィッグの留め方が難しいと感じる方は多いのではないでしょうか?
しっかり留まっていないと、ウィッグがズレて不自然に見える可能性もあります。
ここでは、留め方別にウィッグの基本のつけ方をご紹介します。
ウィッグのタイプや商品によっては留め方が異なるので、お持ちのウィッグの内側を確認してからつけ方を確認してくださいね!
ピンは前髪ウィッグ・トップウィッグ・ハーフウィッグの内側に付いており、自毛に挟むことで固定できます。
- ウィッグを頭に乗せて位置を決める。
- 前部分のピンを開き、頭皮に対してピンを直角に立てる。
- ピンを頭皮に寝かせるようにして、自毛に留める。
- 左右、後ろも同じようにピンを留める。
ウィッグをつけた後は左右、前後に動かして、ズレないか確認しましょう。
ズレるのであればピンに自毛が挟まっていない証拠なので、もう一度つけ直しましょう。
主にフルウィッグの内側の周囲にシリコン製のタブがついており、専用の両面テープを貼り付けることで地肌と固定できます。
- ウィッグに専用のテープを貼る。
- テープを剝がしやすいように、端を少しめくっておく。
- ウィッグを頭に乗せて位置を決める。
- 前部分のテープを剝がし、頭皮につける。
- 左右、後ろも同じようにテープをつける。
ウィッグがズレないか心配な場合は、テープの枚数を多めにつけましょう。
アジャスターはフルウィッグの後ろにフックがついており、サイズ調整ができるようになっています。
- アジャスターを調整していない状態で、ウィッグをつける。
- このときにウィッグの締め付けの状態を確認する。
- 一度ウィッグを外し、ゆるかった場合はアジャスターのフックを一段階内側にする。特に問題なかった場合は、そのままの状態にしておく。
- ウィッグをつける。
アジャスターをきつくし過ぎると締め付けられることで、血行が悪くなったり頭痛くなったりすることがあるので注意しましょう。
マジックテープ付きは、フルウィッグとインナーキャップを固定することでズレを防げるものです。
- ウィッグとインナーキャップの向きを確認して、マジックテープで付ける。
- ウィッグをつけてから前、もみ上げ、襟足がフィットするように抑える。
ウィッグにインナーキャップが付いているので、ニットの帽子をかぶるようにすると付けやすいです。
フルウィッグの周囲にゴムがついていて、頭のサイズに関係なく使えます。
- 手でゴムを広げるようにして、ウィッグをつける。
- 周囲のゴムが浮かないように下に抑える。
ウィッグが締め付けられるようであれば、一度外してゴムを少し伸ばしましょう。
滑り止め付きは、フルウィッグのもみ上げや襟足部分がシリコンでできており、ズレにくくなっているものです。
- ウィッグをつける。
- 滑り止め部分を肌に密着させるように抑える。
頭皮の油分で滑り止めをつけるようにすると、ウィッグがズレにくくなります。
4.ウィッグをつけた後のスタイリングのコツ
「ウィッグをつけたのに、なんだか自然にならない」ということはありませんか?その理由は、ウィッグに適したスタイリングをしていないからかもしれません。
ちょっとしたコツをおさえるだけで、素敵なヘアスタイルになれます。
ここでは、ウィッグをつけたときのスタイリングのコツについてご紹介します。
ウィッグをつけた後は、専用のブラシと静電気防止スプレーでスタイリングしましょう。
ウィッグ専用ブラシは、ブラシ部分がやわらかい素材でできているので、ウィッグの土台部分に引っかかりにくく、髪が絡まないように作られています。
またポリエステルなどの合成繊維で作られた人工毛のウィッグは、毛材同士の摩擦や空気の乾燥によって静電気が発生しやすくなっています。
静電気防止スプレーを使用することで、人工毛の静電気を防ぎ、自然な見た目をキープできるのです。
この2つはウィッグを大切に扱い、自然な仕上がりにするために欠かせません。
スタイリングのときは頭頂部を手ぐしでぼかすようにすると、自然な仕上がりになります。
ブラシを入れるだけだと、髪表面が整いすぎて光が反射してしまい、かえって不自然に見えることがあるのです。
そのため、手ぐしでサッと毛流れを崩すようにすると、ナチュラルな仕上がりになります。
スタイリングが終わったら、合わせ鏡をして左右と後ろを確認しましょう。
人からは正面だけでなく、さまざまな角度から見られるので、左右と後ろも必ずチェックが必要です。
特に自毛を活用するトップ・ハーフウィッグは、ウィッグがついている部分と自毛がなじまなければ違和感が出てしまいます。
また、フルウィッグでは、もみ上げや襟足が浮いていると自然に見えにくくなってしまいます。そのため、合わせ鏡をしてウィッグ全体を見るようにしましょう。
5.それでもスタイルが決まらない方はウィッグ対応美容院を
インナーキャップやウィッグ位置の調整、スタイリングなどを通しても、なかなか理想のヘアスタイルが決まらない方は、ぜひウィッグカットに対応している美容院を探してみることをおすすめします。
ウィッグカットができる美容師さんに相談することで、ウィッグの長さや毛量を調整してもらえるのはもちろんのこと、ウィッグが自然に見えるつけ方などのアドバイスをもらえます。
ネット検索で「新宿 ウィッグカット 美容院」と調べると、対応してくれる美容院を探すことができます。その美容院が個室対応しているかどうかを確認することも忘れずに!
予約する際は必ずウィッグカットをお願いしたいことを事前に伝えるようにしましょう。
6.まとめ
今回はウィッグの基本のつけ方やスタイリングについてご紹介しましたが、いかがでしたか?
ウィッグをつける前に自毛を整えることや、インナーキャップをつけることで、より自然に見せる下準備ができます。
また、ウィッグを左右にズレないように留めて、頭とフィットさせることで、おさまりよく仕上がります。
ぜひこの記事を参考にウィッグをつけて、素敵にスタイリングしてみてくださいね。
向井智美
美容師免許所持。ウィッグ・増毛・育毛の専門企業の元スタッフ。髪でお悩みの方向けにヘアケアのアドバイスやウィッグのカットを行っていた。現在は現場での経験を活かして、髪に関するライターとして活動中。